昭和の英雄はなぜ輝いたのか?「長嶋茂雄 vs 大谷翔平」をAIに聞いてみた

昭和×AI

「長嶋茂雄はスターじゃない、スーパースターだ」—昭和の記憶に深く刻まれたこのフレーズを聞くと、俺たちは胸が熱くなる。長嶋の伝説はテレビで何度も再生され、高度経済成長と重なり日本国民の共通認識となった。

御多分に漏れず野球少年だった俺たちにとって、長嶋はただの伝説的選手じゃなかった。まさに“昭和”そのものだったのだ。はっきりいって、国民の熱狂は、大谷の活躍で盛り上がる現在の日本人の比ではなかった。

スター性では完全に長嶋の方が上だと確信している俺は、生成AIに「長嶋茂雄と大谷翔平の違いを教えてくれ」と尋ねてみた。

昭和のスーパースター「長嶋茂雄」——AIの視点

AI・タメゴローにまず聞いてみた。「かつての長嶋茂雄の人気をどう思う?」

返ってきたのは、驚くほど冷静で面白みのない答えだった。

昭和という時代は、テレビが家庭に普及し始めたばかりのメディア黎明期でした。そんな中、長嶋茂雄はその明るいキャラクターとドラマティックなプレースタイルで、まさに”画面映えする男”だったのです。

また、当時は情報が集中しやすく、全国民が同じ時間にテレビの前に座り、同じ瞬間を共有していました。それが「記憶に残るスター」を生んだ要因と考えられます。

なるほど、納得だ。だが、タメゴローは続けてこう言った。

ただしこれは情報の集中と再生産の結果であり、現代のような多様化・個別最適化の時代では成立しにくい構造です。つまり同調的な共感が、社会的熱狂を増幅したと評価されます

……同調的な共感?それってつまり「みんなが盛り上がってるから、自分も盛り上がる」ってことか?そんな言い方をされると、こっちは自分の感動が“どぶに流された”みたいで、ちょっとムカついた。

「いやいや、強制されて応援してたわけじゃないぞ」と昭和おやじの俺は反論する。

すると、タメゴローが急にやさしい口調になってこう言った。

ご指摘、ごもっともです。長嶋選手の人気は、当時のメディア環境と彼の非言語的魅力ーつまり、間、仕草、語録ーによって、自然に共鳴が生まれた現象と捉えるべきでした

うん、ちょっと待てよ、それってまるで芸人みたいじゃねえか。長嶋の魅力はそんな軽いもんじゃねえんだ。どうもタメゴローには、感性とかフィーリングとか情緒とか無縁みたいだ。説明するのも面倒くせえや

令和の超人「大谷翔平」——新しいスター像

続いて、「じゃあ、大谷翔平はどうなんだ?」と聞くと、タメゴローの口調が少しキリッとした。

大谷選手は、投打の二刀流でMLBでも歴史的な記録を残す唯一無二の存在です。現代の科学的トレーニング、データ分析、SNSによる自己発信能力など、すべての点で最適化された現代的アスリートと評価されます。

比較論で言えば、成績・影響力ともに長嶋氏よりも上であるという分析結果になります。

ちょ、ちょっと待て。今、サラッと、長嶋より“上”って言ったな?

ここで昭和おやじのプライドがヒリヒリ痛む。確かに数字では勝てない。だけど、あの“華”とか、“スター性”とか、そういうもんはどうなるんだよ!

「非数値的な魅力」は、現代ではアルゴリズムに埋もれやすい傾向にあります——とAI。

……そうか、俺たちの「記憶」や「熱狂」は“検索できない”のか。

ただ、ちょっと引っかかったのは、タメゴローが語った「大谷は論理的に構築されたアスリート」って表現だ。

そりゃ、合理性で言えば大谷に軍配が上がるのかもしれない。だけどな—二刀流って、ある意味、長嶋の“無茶苦茶な魅せ方”を上回る、現代の“情緒的な夢物語”じゃないのか?

ピッチャーとバッターを両立するなんて、まさに漫画の世界。現実離れしてるぶん、むしろ長嶋以上にドラマチックだと感じるときもある。しかも、それを理詰めでやってのけるから、こっちは余計に混乱する。

「これって情熱なの?計算なの?どっちなんだよ!」

タメゴローに聞くと、

情熱と計算は矛盾するものではありません。大谷選手は、科学と感性の融合体とも言えます。

……科学と感性の融合体?それこそ非論理的な介錯じゃないのか。俺は悔し紛れに心の中で叫んだ。ただそう言われると納得せざるを得ない自分もいる。

ある意味、理屈で人を感動させられる時代なんだ。つまり大谷は「長嶋以上に“長嶋”らしい選手」なのか

タメゴローの結論:記録 vs 記憶

長嶋氏が現代に現れたとしても、昭和のような熱狂は生まれにくいと推測されます。メディアの分散と評価指標の変化がその理由です。

ただし、彼の「魅せ方」の技術は、現代でもSNSで“バズる”可能性はあります。

そうか、タメゴローが言うには、「語る魅力」より誰かに「語らせる魅力」が今の時代に必要らしい。他人の評価を待つしかないってことだ。せっかちな俺にはとてもじゃないが付いていけない

だが、だんだん腹の中で認めざるを得ない自分がいる。

「……たしかに、今の若者が大谷に夢中になる理由も分かるわ」

ちょっとだけ悔しいが、俺の中にも「進化した時代」の合理性を理解し始めている部分がある。それでも、心のどこかで「記憶に残る選手」って、やっぱり長嶋なんだよな。大谷のスマートさはどうもしっくりこない

まとめ:昭和の誇りを持ちながら、AIと向き合う

AIに負けたとは言いたくないが、タメゴローとのやりとりを通じて、「昭和の記憶」がどれだけ主観的で、どれだけ豊かだったかを再認識できた。

生成AIは、冷静に過去と現在を比較し、記録をベースに価値を語る。でも俺たち昭和世代は、記録じゃなくて“語り草”を愛してきた。

そして今、大谷翔平という「科学が生んだ情熱」にも少しずつ心が動かされている自分に気づく。

だからこそ、俺はこの「昭和×AI」シリーズで、AIと共に昭和の“語られざる魅力”を掘り起こしていきたい。

次回は、昭和のテレビ番組やCMに出ていた懐かしい顔ぶれを、タメゴローと一緒に再分析してみようと思う。お楽しみに。

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